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第43回ツキイチカフェ「ミャンマー、内戦被害者が集う孤児院からの報告~現地フィールドワーカー・モーママさんと共に~」

421日開催第43回ツキイチカフェは、坂西卓郎さん(財団法人PHD協会事務局長)、モーママさん(PHDミャンマー代表)のお二人をゲストに迎えて、「ミャンマー、内戦被害者が集う孤児院からの報告~現地フィールドワーカー・モーママさんと共に~」をテーマに開催しました。


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二人の自己紹介の後、坂西さんから1分間に12人の子どもたちの写真を見せられ、参加者に「この子どもたちは?」と質問されました。それは亡くなった子どもたちの写真でした。世界では病気やケガ、内戦など様々な理由により1分間に12人の子どもが、年間18,000人の子どもが亡くなっていいます。PHD協会は38年前に岩村医師が亡くなる子どもたちを少しで減らしたいとの思いから立ち上げた団体ですと話されました。

日本人スタッフが現地に入って活動し、支援機関が終わったら引き上げるという取り組みではなく、PHD協会では村の人たち自らが助け合っていくことを目指し、村の人を日本に招き、1年間研修を受けてもらう。村へ帰って後、村のため長く活動してもらうという取り組みを行っています、坂西さんから説明がありました。

坂西さんは、20年前に商社を辞め、好きな仕事であれば収入が半分以下になっても楽しい生活を送ることができるとNGOの世界に飛び込まれたそうです。当時に比べて現在のNGO職員の収入はずいぶん向上してきている、多くの若い人たちにNGOに関心を持ってほしいとの思いを持って、NGO相談員としても活動しているそうです。


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モーママさんは、2013年にPHD協会の研修生としてミャンマーから来日し、一年間日本語や保健衛生など多くのことを学びました。わずか1年間と短期間にも関わらず、流暢な日本語を話すモーママさんに参加者も驚いていました、

モーママさんが帰国されてからの6年間のミャンマーの村での活動は多岐に渡るものでした。

ミャンマーでは以前はマラリアやHIVが流行しておりその対策が課題でしたが、発展とともにそれらは減少し、糖尿病、高血圧などの病気が増加してきるとのことです。そのためモーママさんは村で食生活の改善や家族計画の重要性についての勉強会を何度も開いています。最初は、村の人たちに中々聞いてもらえなかったが、4年が過ぎるころにはモーママさんの話に耳を傾け保健衛生に取り組んでくれるようになったそうです。(以前はごま油を使っていたが、近年は安い油が中国から輸入され、糖尿病も増加している。)


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子どもたちが本を読めるよう小さな図書館を作る。また、ミャンマーの学校では進級試験があり、合格しないと上の学年に上がれないため、裕福な親は子どもたちを塾に通わせている。しかし、村の貧しい子どもたちは塾に通えず進級できない子どもが出てきている、そこでモーママさんは子どもたちを教える活動に取り組んでいるそうです。

中国から大量のプラスティックの袋や製品が入ってきて、村ではゴミ問題が大きな課題となってきています、そこでモーママさんは家族、親せきとともにボランティアでごみ収集活動を行っているそうです。地道な努力により村の半分ぐらいの人たちは理解を示し、ごみ収集活動に協力してくれるようになったそうです。

 

さらに、内戦により親を失って孤児院に入っている少数民族の子どもたちを訪ね、勉強を教え、お菓子の提供なども行っています。少数民族の子どもたちはミャンマー語が話せないため大人になっても仕事にも付けず、兵士になってしまう子どもたちがいるそうです。

モーママさんの多岐に渡る素晴らしい活動に、みなさんただただ目を見張るばかりでした。


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彼女は日本に来てミャンマーの良さが分かり好きになったと話されました。日本は電気やプラスティックを使いすぎている、日本人は働き詰めで、お隣のことにも無関心でいる。ミャンマーの村ではお互いに助け合って暮らすことが当たり前ですと、モーママさんの指摘に私たちも反省する思いでした。

 

参加者もテレビや新聞では一面的なミャンマーの情報しか得ていないことが分かり、モーママさんから等身大のミャンマーの暮らしを学ぶことができました。最後に参加全員からもーママさんへの応援の気持ちを込めた温かい拍手でイベントを終わりました。


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以上


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