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ツキイチカフェスペシャル「ジュエリー作家井澤葉子&写真家金サジ:二人が見た、自然の恵み『アバカ』とフィリピン山村での技術伝承の暮らし」

1028日開催のツキイチカフェスペシャルは、フィリピン・マリナオ村サンラモン集落に一週間滞在された井澤葉子さん(ジュエリー作家)と金サジさん(写真家)の訪問報告会を京都市内のサロンABCafeで開催しました。


二人の写真

報告会では、写真家の金サジさんが村で撮影されてこられた写真をカフェの壁に飾り、また村で撮影された写真のスライドショーを参加者みんなで楽しみながら、二人にお話をお聞きしました。


会場1

井澤さんは、英国で10年間ジュエリー作家として活動された、また金さんはキャノン主催の「写真新世紀展」でグランプリを受賞されたアーティストとあって、二人の目に映った村の暮らしは、とても魅力的なものでした。

お二人がお話された主な内容を以下に書きます。

カリボの町


マリナオ村サンラモン集落はアクラン州の州都カリボからも遠く、未舗装の道路をバイク等で行ったところにある小さな山村。
金銭的には貧しいかもしれないけど、村の人たちはコメ作りを行い、森にはバナナなどの果物も豊富、庭や道路には鶏が走り回っていて、日々の食べるものには困らない生活を送っていました。

マリナオ村

村の人たちは、みんな明るく朗らかで、ホームステイでお世話になったBingさんを初め女性たちはとても働き者でした。

早朝井澤さんと金さんは鶏の鳴き声で目覚め、4時ごろにはBingさんは起きて、5時には働き始めます。


会場2

6時ごろになると村の人たちが、自分が編んだアバカ商品をBingさんの家に届けにくる、次の商品作りのためアバカの繊維を持ちかえるなど、朝から賑やかになります。

女性たちは家事や子育てをする傍ら、マクラメ編みを作ります。小さい子を持つお母さんは膝に子どもを置いて、マクラメ編みの作業を行います。
子供が大きくなってくると、娘はお母さん一緒にアクラメ編みを編んで、技術を学んでいました。


親子の作業

マクラメ編みの作業は、フェア・プラスの資金で建てた共同作業場で行う人と自分の家で編む人がいます。

村の家は竹で作った高床式が多く、作業をする土間に電灯もない家も多く、日の光で作業を行い、日が沈むとともに休む暮らしを送っている人たちも多かったです。

村の女性たちはとても働き者で、一生懸命働く姿はとても美しかったです。


働く女性

アバカの木はバナナの木に似ていて、日本人には両者を見分けることが難しいです。成長すると花が咲き、実がなりますが、バナナと違って実は食べられません。アバカの木は花が咲くと成長した証で、木を伐採して繊維を採取することができるようになります。


アバカの木

アバカの木はとても繊細で、強い日差しに弱く、木がある程度茂っている林の中で、南向きの斜面を好む特徴があり、植林もそのような土地が適しています。これまで植林したアバカの木には花が咲いている木もあり、4年前から徐々に植林を行ってきていますが、順調に成長していました。


アバカの花

繊維を採る作業は、アバカの木の幹を剥いで板状にしたものを、2枚の鉄板の間に挟んで引き抜くことにより柔らかい部分を取り除いて繊維を採ります。一見簡単な作業に見えますが、滑らかに力を伝えて行かないと引き抜けない、こつのいる作業です。


繊維を採る作業

このように採った繊維を木の枝や紐にかけて天日干しをして乾燥されます。

 

繊維を乾燥させた後、足で踏んだり、丸太で扱いたりして柔らかくし、繊維をよって糸を作ります。この糸を使ってマクラメ編みの手作業が行われている訳です。

ひとつひとつが手作業で、非常に手間のかかる行程であることが分かります。


天日干し

今回は一週間村に滞在し、村の人たちの暮らしに触れて過ごすことができました。

身体障害者の人も町で見かけましたが、社会に溶け込んで、普通に他の人たちと変わらず、生き生きと働いている姿は、日本で見ることができない光景でした。


会場3

滞在中小学校も訪ねましたが、制服を着ている子どもと家が貧しくて制服を買えない子どもがいましたが、制服を着ているかどうかに関係なく、子どもたちがみんな仲良く遊んでいました。それは最近の日本では見られなくなった光景かもしれません。

小学校

また、お世話になっている方の身内の方が亡くなるという不幸があり、お通夜に参列しましたが、みんなで賑やかに楽しく過ごしていて、日本のお葬式との違いを感じる貴重な経験でした。


会場ー5 (1)

その後、お二人と参加者との交流が図られましたが、次のような会話がありました。

  フィリピンの農村の人たちは、とてもフレンドリーで、お金はないかもしれないけど、食べ物は豊富で、お互いに助け合って暮らしている。“貧しさ”の意味とは?、“幸せ”ってなんだろう?と、考えてしまいます。

  アバカの作品作りは、村の人たちにとって収入の糧だけではなく、地域づくり、コミュニティー作りの役割を果たしていると感じました。

  マリナオ村の滞在で、人と自然と共生する暮らし、障がい者もわけ隔てのない共生の社会を見た思いがします。


集合写真


参加者の人たちも、写真家の金サジさんが撮ってこられた素敵な写真を見て、マリナオ村の風景を思い浮かべ、楽しい交流の時間を過ごされたことと思います。

 

以上

Comment

おおてりえ | 2018年11月02日 21:25
今日、またこの国の人のサポートに入りました。彼女の両親が暮らす地域はWifiも入らない田舎だそうです。彼女が両親とコンタクトを取るときは、マニラに住む従姉妹が両親に連絡し、両親がWifiのつながる地域まで出向いてくるそうです。今、彼女はその両親のところに子どもを預けています。日本ではゲーム依存になりかけていた子どもが、両親のところではすることもないので、外で近所の子どもたちと思い切り遊んでいると聞き、彼女はとても安心した、と。でも彼女はやはりその子たちを呼び戻して、日本で働いて暮らしたい、と言います。子どもたちの父親は日本人で、そのために日本国籍を持っており、その扶養者として定住ビザ(永住ではありません)を取ることができるから、だと。
彼女の両親の地域でも、仕事となる産業が生まれれば、彼女も両親と一緒に住めるのに…、と切なくなりました。

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