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第29回ツキイチカフェ「精神に障害を抱える人たちが、笑顔になれる街づくりを目指して」

1210日開催の第29回ツキイチカフェは、吉田 久美子さん(〔社福〕てりてりかんぱにぃ理事、就労継続支援B型事業所ジョイント・ほっと管理者)をゲストに迎えて、「精神に障害を抱える人たちが、笑顔になれる街づくりを目指して」をテーマに開催しました。

 

精神疾患(病)に対して人々の誤解が多くあります。残念ながら、現在も「精神病」⇒「怖い」⇒「人を殺す」と考える人が少なからずいます。

吉田さんは当初、子供と触れ合いたいとの気持ちから福祉の世界に入りました。40年前も児童虐待、子どもの貧困問題はあり、普通の人なのに精神病と診断され病院に入院させられる人たちを見て疑問を感じました。それ後精神病院のソーシャルワーカーとして働き、20年前に精神障害者の人たちのための作業所を一緒に立ち上げませんかと誘われたのがジョイント・ほっと立ち上げのきっかけだったそうです。

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統合失調症の人は、幻覚症状などを抑えるため薬を飲みます。ところが薬には眠くなる、震える、喉が渇くなどの強い副作用があり、副作用がいやで薬を止めてしまう人もいます。薬を飲んでも完治することはほとんどなく、症状を改善し再発を防止することが目的のため、薬を飲み続けなければなりません。人によっては40種類以上の薬を飲み続けなければなりません。

統合失調症の症状が改善し企業で働き始めても、ストレスが多いため辞めざるを得ない人も多くいます。一日8時間の勤務は厳しくても短時間であれば、働ける、働きたいと思っている人は多くいます。また、病気は本人が弱いからだと周囲の人が誤解して、「頑張って」と励ます言葉が、本人に「自分はダメな人間だ」と思わせ傷つけてしまうケースもあります。

 

吉田さんは、その人にあった時間働ける場が必要です、また関わる側もゆとりを持ってゆっくりと一緒することが大切と話をされました。ジョイント・ほっとでは相談に応じて15分からの仕事も提供しており、スタッフが正しく対応できるよう訓練をしているそうです。


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最近法改正があり障害者福祉法が制定されましたが、職員は効率化が求められ事務仕事の追われるようになりました、目標工賃を決められ、疲弊してきているそうです。吉田さんからは、スタッフももっとゆとりを持って働けるようにする必要があり、そのためにも市民に正しく理解して頂くことが重要ですと話をされました。

ジョイント・ほっとでは、祇園祭など地域のお祭りには必ず参加するようにしているそうです。

 

その後の参加者との意見交換では、子どもの時から早く対応していたら精神疾患にならず助かる子どもも多いと思われることや、私たちも知らずに人を傷つける発言をして言葉の虐待を行っていることがあること、一般の人がもっと正しい理解をえること、考えることが大切ではなどの発言がありました。

精神障害者の人たちが暮らしやすい社会を作ることは、私たち誰もが暮らしやすい社会を作ることなのかもしれません。


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河西 実

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