フェア・プラスでお馴染みの天然素材アバカとはどんな植物でしょう?みなさんに親しみにを持って頂くために、アバカについて説明します。
[アバカとは?]
フィリピンの天然素材アバカは、外見がバナナの樹に似た多年生植物で、3年程度で高さ3~5mに生育します。
俗称はマニラ麻と呼ばれますが、麻とは別の植物系です。和名を糸芭蕉と呼ばれ、国の重要無形文化財に指定されている沖縄の伝統工芸芭蕉布に使用されているものと同じ素材です。
アバカの繊維は、柔軟かつ強靭で水にも強く、比重は麻の半分以下と非常に軽い。そのため、日本の紙幣にも和紙の強度を増すために古くから使われています。
アバカの樹はフィリピン中部に多く群生していて、古くから魚網の縄などに使われてきました。
15世紀ごろ、ヨーロッパの人々がその特性に注目し、インド、ブラジル、アフリカなどの熱帯諸国での栽培を試みしたが、いずれの国でもうまくいかず、現在もフィリピンの特産となっています。
アバカの樹は、豊かな水と適度な日差しを好みます。土壌は常に湿気をふくんでいる必要がありますが、沼知など水に浸った土地では根腐れしてしまいます。
また、乾季でも乾燥しない土地でなければなりません。乾季に強い日光があたる場所では、大きな葉が枯れてしまい、生育が難しいからです。
さらに、アバカの樹は根が浅いため、強風にも弱いです。
このようにアバカの樹は非常に繊細な植物で、これらの条件に適した土地は、南向きの山の斜面で、適度な密度で種々の木が生えた森林地帯で、常に水分を含んだ土壌豊かな土地である必要があります。
フィリピン中部のパナイ島マリナオ村は4つの川が流れる水の豊かな土地で、「マリナオ」の語源は「マリナオ川の源流にあたる多くの沢や川の澄んだ豊かな水」から来ています。(マリナオ村役場の資料より)
村の周辺の山の斜面にアバカの木が多く群生しています。マリナオ村周辺にアバカの樹から採取される繊維は、フィリピンの他の地方のアバカの繊維と比べ、繊細で、上品で淡い生なり色をしているのが特徴です。