NPO法人フェアプラス 事務局長Blog

第43回ツキイチカフェ「ミャンマー、内戦被害者が集う孤児院からの報告~現地フィールドワーカー・モーママさんと共に~」

  • 2019年04月22日

421日開催第43回ツキイチカフェは、坂西卓郎さん(財団法人PHD協会事務局長)、モーママさん(PHDミャンマー代表)のお二人をゲストに迎えて、「ミャンマー、内戦被害者が集う孤児院からの報告~現地フィールドワーカー・モーママさんと共に~」をテーマに開催しました。


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二人の自己紹介の後、坂西さんから1分間に12人の子どもたちの写真を見せられ、参加者に「この子どもたちは?」と質問されました。それは亡くなった子どもたちの写真でした。世界では病気やケガ、内戦など様々な理由により1分間に12人の子どもが、年間18,000人の子どもが亡くなっていいます。PHD協会は38年前に岩村医師が亡くなる子どもたちを少しで減らしたいとの思いから立ち上げた団体ですと話されました。

日本人スタッフが現地に入って活動し、支援機関が終わったら引き上げるという取り組みではなく、PHD協会では村の人たち自らが助け合っていくことを目指し、村の人を日本に招き、1年間研修を受けてもらう。村へ帰って後、村のため長く活動してもらうという取り組みを行っています、坂西さんから説明がありました。

坂西さんは、20年前に商社を辞め、好きな仕事であれば収入が半分以下になっても楽しい生活を送ることができるとNGOの世界に飛び込まれたそうです。当時に比べて現在のNGO職員の収入はずいぶん向上してきている、多くの若い人たちにNGOに関心を持ってほしいとの思いを持って、NGO相談員としても活動しているそうです。


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モーママさんは、2013年にPHD協会の研修生としてミャンマーから来日し、一年間日本語や保健衛生など多くのことを学びました。わずか1年間と短期間にも関わらず、流暢な日本語を話すモーママさんに参加者も驚いていました、

モーママさんが帰国されてからの6年間のミャンマーの村での活動は多岐に渡るものでした。

ミャンマーでは以前はマラリアやHIVが流行しておりその対策が課題でしたが、発展とともにそれらは減少し、糖尿病、高血圧などの病気が増加してきるとのことです。そのためモーママさんは村で食生活の改善や家族計画の重要性についての勉強会を何度も開いています。最初は、村の人たちに中々聞いてもらえなかったが、4年が過ぎるころにはモーママさんの話に耳を傾け保健衛生に取り組んでくれるようになったそうです。(以前はごま油を使っていたが、近年は安い油が中国から輸入され、糖尿病も増加している。)


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子どもたちが本を読めるよう小さな図書館を作る。また、ミャンマーの学校では進級試験があり、合格しないと上の学年に上がれないため、裕福な親は子どもたちを塾に通わせている。しかし、村の貧しい子どもたちは塾に通えず進級できない子どもが出てきている、そこでモーママさんは子どもたちを教える活動に取り組んでいるそうです。

中国から大量のプラスティックの袋や製品が入ってきて、村ではゴミ問題が大きな課題となってきています、そこでモーママさんは家族、親せきとともにボランティアでごみ収集活動を行っているそうです。地道な努力により村の半分ぐらいの人たちは理解を示し、ごみ収集活動に協力してくれるようになったそうです。

 

さらに、内戦により親を失って孤児院に入っている少数民族の子どもたちを訪ね、勉強を教え、お菓子の提供なども行っています。少数民族の子どもたちはミャンマー語が話せないため大人になっても仕事にも付けず、兵士になってしまう子どもたちがいるそうです。

モーママさんの多岐に渡る素晴らしい活動に、みなさんただただ目を見張るばかりでした。


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彼女は日本に来てミャンマーの良さが分かり好きになったと話されました。日本は電気やプラスティックを使いすぎている、日本人は働き詰めで、お隣のことにも無関心でいる。ミャンマーの村ではお互いに助け合って暮らすことが当たり前ですと、モーママさんの指摘に私たちも反省する思いでした。

 

参加者もテレビや新聞では一面的なミャンマーの情報しか得ていないことが分かり、モーママさんから等身大のミャンマーの暮らしを学ぶことができました。最後に参加全員からもーママさんへの応援の気持ちを込めた温かい拍手でイベントを終わりました。


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以上


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6月2日開催第44回ツキイチカフェNPOにボランティアはいらない?~市民参加とNPOの課題を考える~

  • 2019年04月12日

テーマ:NPOにボランティアはいらない?~市民参加とNPOの課題を考える~

 

NPO法人の数は今や51,000以上あり、市民活動(ボランティア活動や社会貢献活動など)を行う団体は増え続けてきました。
ところが、その財政別構造を見ると、会費や寄付は収益のわずか
10%程度だということが分かっています。
また、ボランティアの数も
0人が21%とまだまだ市民参加が進んでいるとは言えない状況です。改めて、NPOの市民参加についてみなさんと一緒に考えてみたいと思います。〔梅田 純平〕


フェアトレード・コーヒーを飲みながら、ゲストのお話をお聞きして、みんなで会話を楽しみましょう。どうぞ気軽にご参加下さい。


第44回活動写真

ゲスト:梅田 純平((社福)大阪ボランティア協会)

学生時代に大阪ボランティア協会で活動した後、障害者自立支援センターに勤務。5年務めた後、2007年に大阪ボランティア協会に入職。現在、NPOの運営相談などを担当し年間100件超の相談対応を行う。


梅田プロフィール写真

日時:62日(日)14001600

会場: 東山いきいき市民活動センター1階 和室

605-0018 京都市東山区巽町442-9

定 員:20

参加費: 社会人800円、学生・会員500

(フェアトレード・コーヒー、アバカ手編みコースター(初回参加者)、ブランドカードセット代を含む)


大阪ボラ教活動写真

主催:NPO法人フェア・プラス、共催:東山いきいき市民活動センター

申込:NPO法人フェア・プラス

Tel075-744-0646FAX075-744-0945

Mail:  info@fairplus.org 

 

NPO法人フェア・プラス

600-8492 京都市下京区月鉾町52 イヌイ四条ビル3階Flag四条

Tel: 075-744-0646Fax: 075-744-0945

Mail:  info@fairplus.org 

 

次回以降の予定

616日(日)  ゲスト:石山 陽介(㈱ソイルワーキングス(蜜香屋)代表)

77日(日)  ゲスト:城 哲也(NPO法人さをりひろば)

以上

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聴覚障害のあるサハリン残留高齢日本人の方の日本への一時帰国のプロジェクトご紹介

  • 2019年04月09日

みなさまは、北海道の北にあるロシア領サハリンが戦前樺太と呼ばれ35万人の日本人が暮らしていたことをご存じですか?

戦後の動乱期を経て、多くの日本人の方たちは日本本土に帰国できましたが、種々事情で帰国できずサハリンに住み続けざるを得なかった日本人の人たちがいます。

その中に聴覚障害のため情報弱者となり帰国できなかった残留日本人に方がいらっしゃることが分かりました。
日本サハリン協会では、高齢となった聴覚障害の残留日本人の方の一時帰国とその方の生きてこられた記録を残すための活動を行っています。そのためのクラウドファンディンを行っています。
フェア・プラスも縁あって日本サハリン協会のこの取り組みを紹介させて頂きます。


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日本サハリン協会のHPとクラウドファンディンのURLをご覧いただき、現在も多くのサハリン残留日本人、韓国人の方、その家族の方たちがサハリンで暮らしていらっしゃること、これまでどのような暮らしをしてこられたか思いめぐらして頂けたらと思います。
http://sakhalin-kyoukai.com/
https://npouptain.wixsite.com/deafworld

 

以上

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第42回ツキイチカフェ「ダンスと地域のあたらしい関係をさがして」

  • 2019年04月04日

323日開催第42回ツキイチカフェは、千代その子さん(一般社団法人ダンストーク代表)をゲストに迎えて、「ダンスと地域のあたらしい関係をさがして」をテーマに開催しました。

 

最初に千代さんは、誰もが参加できる“コミュニティダンス”について話をされました。

コミュニティダンスとは、①参加者が中心、②共同的な関係性で、③(誰もがいつでもできる)包括的な実践であり、④多様性を祝福するポジティブな体験の機会となるものですと説明されました。


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千代さんは、17歳の時にダンスを学ぶため英国の大学に留学し、卒業後はイタリア・シチリア島のダンスカンパニーに所属。帰国後、ダンス講師・フリーダンサーとして活動。

しかし日本ではダンサーとして収入を得て生活していくことが難しかった。なぜ日本ではダンサーがダンスをして暮らしていくことが難しいのかと悩み、その答えを求めて、龍谷大学大学院の政策学研究科へ入学しました。
そこでインターンシップ制度を利用して入った
NPO法人ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワークで様々なダンスプロジェクトの企画制作・通訳にかかわったことが、千代さんが『ダンスは社会のどこにあるべきなのか?』という問いを探究するきっかけとなりました。

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2014年豊岡市に「城崎国際アートセンター(KIAC)」が誕生。世界中からアーティストがやってきて、無料で滞在し、24時間劇場やスタジオを使ってダンスや演劇の作品づくりができる日本最大級のアーティスト・イン・レジデンス施設です。このKIACの事業に、千代さんの所属する団体が関わるようになりました。

当時、まちに新たに誕生したKIACに対する地域の理解を得ることは最優先の課題。そこで、英国でダンスカンパニーを率いるディレクター、ルカ・シルヴェストリーニ氏を招聘し、コミュニティダンス作品をつくるプロジェクトが行われることになり、千代さんも通訳として関わることになりました。プロジェクト開始前にルカ氏が下見に訪れた際、地域の方々となかなか出会うことができず、滞在期間は終わりに近づこうとしていました。そこで地域の方々を城崎国際アートセンターにご招待し、ルカ氏から直接プレゼンテーションを行うことに。
「これから始まるのは多くの人が関わる大がかりなプロジェクトで、私はイギリスの仕事をおいて、このプロジェクトのために来年再訪問する。私もこのプロジェクトにコミットするので、皆さんもコミットして一緒に挑戦してほしい。」という熱いメッセージだったそうです。それを千代さんは、地域の方々がどんな風に受け止めるんだろうと、不安な気持ちからドキドキして通訳していました。

このプレゼンテーションに共感してくださった方々が翌年出演者となり、多忙な時間を割いて集まり、一丸となってコミュニティダンスの作品づくりに取り組んだそうです。3週間の怒涛のスケジュールには、2歳から80代まで約70名が参加し、客席は全公演満席。本番を終えた出演者・スタッフはまるで家族のような一体感に包まれていました。

 
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これをきっかけに、ダンスを続けたいという子どもたちがいた為、20161月より千代さんは城崎在住の谷垣優さんとともにKINOSAKI OPEN DANCE CLASSをスタート。バレエやコンテンポラリーダンス、ピラティス、ストレッチなどのクラスを3日間行い、地元の人も観光客も誰もが参加することができる気軽なオープンクラスを始めました。初回から反響があったため月1回のペースで定期開催を始めると、毎回約60人が参加するように。その中には外国人観光客も加わっていました。2017年にはきのさきダンスキャンプ(こども編、おとな編)を開催。城崎温泉でダンスを「おどる」から、ダンスを「つくる」へと活動を展開していきました。

これらの活動を継続していくため、20183月に地域の方々の協力を得て、城崎を拠点としたコミュニティダンスの団体「一般社団法人ダンストーク」を設立し、その後も学校や福祉施設などで活動を発展させてきました。

 

『ダンスはみんなのもの』という信念のもと、千代さんはダンストークの活動で次の3つの目標を掲げているそうです。

・地域社会に根差した、新しいダンスのあり方を見つけること

・人々のこころとからだの健康を維持すること

・誰もがダンスを身近に触れることができ、文化芸術への理解・普及が促進される機会を創出すること


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具体的な活動では、ダンスを中心に4つの分野で活動しています。

・文化xダンス

・観光xダンス

・教育xダンス

・福祉xダンス


城崎国際アートセンターの誕生から5年。文化芸術によるまちづくりを目指している豊岡市には、アートセンターで滞在制作をするアーティストやそこで生まれた作品によって地域の魅力が世界に発信される流れが生まれており、少しずつ実を結んできているそうです。KINOSAKI OPEN DANCE CLASSにも、過去3年間で約1500人(のべ)が参加し、幅広い世代の多くの方々にとっての『おどる場所』になっているとのことでした。

 

最後に千代さんは、『社会の中でダンスはどこにあるべきか?』の答えとして、ダンスは「人々の身近にあるべき」、「手が届くところにありたい」と話を結ばれました。


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参加者のみなさんは、千代さんの熱い想いと引き込まれ、話に聞き入っていました。

千代さんの話が終わられた後、参加者全員でコミュニティダンス(ウォームアップとクールダウン)を体験しました。最初躊躇していたおじさんたちもふくめみんな、千代さんに導かれ、自分の心を解放して、楽しくのびのびと踊っていました。


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以上


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フェア・プラスは台中市国立美術館が主催する企画展「Slow Fashion」へ正式出展します。

  • 2019年04月03日

このたび、台中市国立繊維工芸美術館からご招待いただき、518日より開催される展示会にフェア・プラスがアバカ製品を出展することになりました。

台中市繊維美術館では、「Slow Fashion-アジア・パシフィックの天然繊維を使った身に着ける工芸品展」をテーマに、天然繊維を使った5か国の作品の企画展を、113日まで半年間開催することになりました。


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日本からはフェア・プラスが国立美術館の招待で、着物の一加と共同開発し、フィリピン・マリナオ村の生産者が製作した、アバカ名古屋帯などを出展します。

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開催日初日の518日には、オープニング・シンポジウムでデザイナーの井澤葉子さんとマリナオ村の生産者Villaflor V. JavierBingさん)が登壇し、プレゼンテーションおよびアクラメ編みの実演を行います。


マクラメ編み

企画展概要:

テーマ:「Slow Fashion-アジア・パシフィックの天然繊維を使った身に着ける工芸品」

開催期間:518日~113

会場:台中市繊維工芸美術館 (Taichung Museum of Fiber Arts)

   台中市大里盛里二路1

出展国:日本&フィリピン(フェア・プラス&マリナオ村アバカクラフト生産者組合)、インド、ミャンマー、マレーシア、韓国、台湾


マクラメ編みの親子

展示会、シンポジウムなどの様子について情報が入りましたら、ご報告します。

開催期間中に台中市を訪問される機会がありましたら、ぜひ美術館を訪問ください。

 

以上

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