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第39回ツキイチカフェ「ツキイチカフェが結ぶ人の輪、活動の輪~障がい者支援、途上国支援、自然環境保護など分野の壁を超えた新たな世界~」

  • 2018年12月10日

122日開催のツキイチカフェは、これまでのツキイチカフェにゲスト出演頂いた8名の方にお出で頂き、拡大版ツキイチカフェとして、「ツキイチカフェが結ぶ人の輪、活動の輪~障がい者支援、途上国支援、自然環境保護など分野の壁を超えた新たな世界~」をテーマに開催致しました。

 

イベント前半は、ゲストの方たちから最近の活動状況についてお話頂き、後半はいつもと異なり立食でゲスト同士、ゲストと参加者との間で、コーヒー(お茶)とお菓子を楽しみながらお互いに意見交換、交流を図りました。


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お一人10分という限られた時間で発表頂きましたが、さすがゲストのみなさんはポイントを絞って簡潔に分かりやすく話をして下さいました。

 

ゲストのみなさんがお話されたポイントを以下お伝えします。

1.日下部 育子:亀岡福祉会 第三かめおか作業所所長

障害者の工賃(1か月作業所で働いて得られる収入)は全国平均14,838円(H26年)、しかもこれは平均値で多くの施設は平均値に届いていないのが実態。政府、行政は少しでも多くの工賃を稼げるようにするための取り組みを求めてくるが、個々の施設、個々の障害者により置かれている状況は異なり、益々厳しい状況になっている。

日下部さんが大切だと考えることは、障害者の人たちが働きやすい環境を整えること、また表に現れる障害者の人たちの言葉や行動に捕らわれず、寄り添ってその人を理解することだと思う。


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2.小吹 岳志 :フェアトレード・サマサマ事務局長、オイコクレジット・ジャパン事務局長

市長、議会、市民の合意で宣言されるフェアトレードタウンは、現在日本に4都市あり、札幌が現在目指している。静岡ではフェアトレード大学の活動も行われている。

一方東京オリンピックでは多くの木材を使用することから、熱帯林の破壊を招く恐れがあり、そのような問題を引き起こさないよう、しっかりとみんなで監視していく必要がある。

フェアトレードの認知度は18%と多くなってきたが、実際にフェアトレード商品を購入したことのある人は7%に過ぎない。フェアトレードでは消費者が社会を変えていくという理念のもと、川上(製造)から川下(販売)まで一貫した取り組みを行ってく必要がある。


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3.上野山 裕久:NPO法人京都難病支援パッショーネ理事長

パッショーネは、A型事業所(障害者と雇用契約を結ぶ)で、提供している業務はHP制作、グラフィックデザイン、染め物、雑貨製作、アニメコラボ商品、パソコン教室など非常に幅広い。団体の役割は働く場を提供することで、難病の人たちが各々の状態に対応した形で、能力を発揮して仕事をしている。

また、琥珀リボンを付ける活動により、難病の人たちへの理解と支援を呼びかける取り組みを行っている。


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4.石崎 雄一郎:ウータン・森と生活を考える会 事務局長

熱帯林1ヘクタールに生息する生物の種類は、欧州全体の生物の種類より多い。命のつながりでできているのが生物多様性。

パームオイルを採取する油ヤシを生産するため、ボルネオの熱帯林の半分が破壊されている。パームオイルは植物性油と表示されるため、私たちが知らない間にポットチップやカップヌードルなど多くの食品に使われており、我々の生活に深い結びつきを持っている。

団体では、日本国内で問題に対する理解を広げるとともに、熱帯林を守りつつできる農業に現地の人たちと取り組んでおり、またエコツーリズムも行っている。


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5.今井 正人:積水ハウス㈱京滋シャーメゾン支店 医療・介護事業担当課長

積水ハウスがこれまで建設した住宅は230万戸で世界一、ネットゼロエネルギー住宅(住宅内での消費エネルギーゼロ)にも取り組んでおり、COP21にも参加。サービス付き高齢者住宅も建設しており、住宅のバリアーフリー基準は政府と積水ハウスの共同で作っている。

障がい者のグループホームは、地主に建ててもらい、多額の資金調達が難しい社会福祉法人に長期で借りてもらう形の取り組みを進めている。地域の人たちが障がい者の人たちのことをよく分からず建設に反対をする時は、地主の人たちへ協力し、地域の人たちへの説明も行っている。

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6.兵田 大和:食育ジビエアドバイザー

京都でも、宝ヶ池周辺の農地や住宅地へ多くの鹿が入ってきて獣害をもたらしている。大学構内や保育園の傍も鹿の群れが現れている。農家は防獣ネットをはるなどの対策を講じて被害を防いでいる。このような問題は、生態系のトップである人間が自然を無視して放置したため、鹿やイノシシの増加を招いたものである。

山林などの鹿の生息地を、生態系のバランスを考えた上で、一体的に管理する必要がある。
“狩”猟者に求められるものは、今も昔も野生動物の保護・管理がポイントだと考え、市民への啓発活動なども含め、問題に取り組んでいる。



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7.別府 一樹:認定NPO法人トゥギャザー 常務理事・事務局長

1996年に“障害者と社会の架け橋”を目指し、元積水ハウスの専務だった中條前理事長によりNPO法人トゥギャザーは立ち上げられた。

作業所の支援のため、企業へのノベルティなどの販売、消費者法の啓発や品質の管理の指導、積水ハウスとの協力によるグループホーム建設の支援、就労支援のための企業の相談窓口、梅田スカイビルのアンテナショップの経営など通じての作業所のネットワーク化など、これまで幅広く取り組んできている。


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8.原 康子:認定NPO法人ムラのミライ 認定「対話型ファシリテーション」トレーナー

当初は途上国の人たちとの気持ちを理解せず、分からないまま支援を行い失敗することが多かった。そこで、途上国の人たちと対話し、分かり会えるためにはどのようにしたらいか研究し、「対話型ファシリテーション」の手法を開発した。

この手法は子育てでも有効と考え、現在日本でお母さんたち向けの講座を行っている。基本は、「なぜ(WHY?」、「どうだった(HOW)?」を禁句とすること。シンプルな聞き方をすると相手はどんどん自分から話してくれるようになる。


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後半の交流の場では、障がい者支援に取り組む人たちと途上国支援に取り組む人たちなど普段話をすることのない人たちとの間で活発に話がされ、「そのようなことをまったく知らなかった」、「そんな厳しい状況だったのですね」など、お互いに刺激を受け、最後まで会話が盛り上がっていました。

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