NPO法人フェアプラス 事務局長Blog

第30回ツキイチカフェ「フェアトレード商品は理解してくれる人だげが買ってくれればいい?」

  • 2018年01月16日

114日開催のツキイチカフェは、フェア・プラスの河西実(事務局長)が「フェアトレード商品は理解してくれる人だげが買ってくれればいい?」をテーマに、フェア・プラスが取り組むフェアトレードについてお話をさせて頂きました。


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長年商社に勤務し多くの国に出張した河西は、途上国の貧しい人たちの暮らしが大企業の貿易取引だけでは改善されないこと目の当たりにしました。

一方で、フェアトレードに取り組むNGOスタッフから「途上国の貧しい農村の人たちは学校へ行っていないから、品質の高いものは作れなくても仕方ない」、「フェアトレード商品は、正当な対価を生産者に支払うので、価格が高くなるのはやむを得ない」などの発言があり、また企業の担当者からは「フェアトレードは価格が高くて品質が悪い」との厳しい批判がありました。

矛盾を感じた河西は、フェアトレード事業を立ち上げるにあたり、途上国の天然素材を使い、農村の伝統技術を生かした製品を、プロのデザイナーの協力により日本の一般市場で評価される商品にしていくことを目指しました。それがフィリピン・マリナオ村で生産するアバカ・マクラメ編み商品です。


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当初は村で作られたサンダルなどの日用品をイベントで販売しましたが、その後高品質な商品開発を目指し、プロのデザイナーの協力によりクラッチバッグなどの着物文化にマッチした商品を開発百貨店での販売も実現しました。

2017年には着物の京都一加と提携しアバカ名古屋帯、巾着などを共同開発し、ファッション雑誌でも紹介される高付加価値商品を安定して生産するようになりました。これら高付加価値の商品を生産するマリナオ村の高い技術を持った生産者は安定した収入の向上が図れるようになりました。


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更に伝統のマクラメ編み技法を維持・発展し、より多くの村の人たちが付加価値の高い商品を製作し生活の安定が図れるよう、フェア・プラスは村でのマクラメ編みトレーニングを支援し、村の人たちのため共同作業所の建設も行いました。

一方で、豊かな森の自然を守りつつアバカ繊維の自給自足を実現するため、自然保護に配慮した形でのアバカの植林を支援し、村の周辺の豊かな自然を守ってほしいとの想いを実現する取り組みも進めています。


フェアトレードの意義

フェアトレードの理念である自立支援を達成するため、フェア・プラスの依存することなくフィリピン国内の百貨店や欧米への輸出を生産者団体が自ら行えるよう、マーケティング力等も身に着ける支援も始めていることを、河西から説明しました。

また日本国内でもフェア・プラスの取り組みが、他のNGO団体への先駆的事例となることを願って、今後も取り組みを進めていくことを考えていることを説明しました。

 

参加者からは、「フェアトレード」が本当に途上国の生産者の生活向上に貢献しているのだろうか、偽善ぽく聞こえてしまっていたなどもやもやした気持ちを持っていたが、フェア・プラスの活動を知って、すっきりしましたなどのコメントを頂くことができました。


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NPO法人フェア・プラス

事務局長 河西 実


  • Posted by minorukasai51
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