フェア・プラスの新しい取り組み
「フィリピン・ルソン島北部における環境に配慮した持続可能なコーヒー生産とフェアトレードによるマーケティング能力向上事業」
2017年4月、フェア・プラスでは新しい取り組みがスタートしています。それは、フィリピンのルソン島北部山岳地方(ベンゲット州)でコーヒー栽培に取り組む農家さんを支援すること。綺麗なビーチで有名なフィリピンですが、実は標高差のある地形と豊かな気候を生かして、いま盛んにコーヒー栽培が進められているのです。
フィリピンのコーヒー市場は新しく、生産量も決して多くないため、現在は農家さんにとってとても有利な価格で取引されています。その一方で、コーヒー栽培地は急速に拡大しており、近い将来、供給過多による市場価格の下落が心配されています。そうなると、農家さん(多くは小規模生産者)の現金収入は減少し、コーヒー栽培を続けることも難しくなるのは容易に想像がつきます。
フィリピン政府機関は、現在のところ、積極的に栽培地拡大事業を進めています。しかしながら、貧困削減と生計向上に重きを置いた事業のため、「環境に配慮した持続可能な開発」という視点が欠けています。このまま栽培地拡大のための開発が進めば、将来は深刻な森林破壊が起こる可能性も否定できません。
そこでフェア・プラスは、フィリピンのバギオ市にある現地NGO「コーディリエラ・グリーン・ネットワーク(Cordillera Green Network:CGN)」と協力し、ルソン島北部コーディリエラ地方の2つの生産者組織を対象に、環境に配慮した持続可能なコーヒー生産と国際フェアトレード基準を導入したマーケティング能力強化プロジェクトを開始することにしました。2017年4月、地球環境基金の助成を受けて、本事業が本格的に動き出しました。今後1年かけて、国際フェアトレード(Fairtrade
International)が設ける基準(Fairtrade Standard)に沿って、「経済的」「社会的」「環境的」に健全なコーヒー生産の実現を目指します。
【本事業の上位目標】
コーヒー生産に関わる組織によって持続可能な生産・加工・販売が行われ、対象地域の環境が保全される。
【上位目標の実現に寄与する望ましい成果】
1.
パイロット地域であるベンゲット州のコーヒー生産者団体が、フィリピン法による「農業協同組合Cooperative」として登録されるようになる(2生産者団体)。
2.
パイロット地域であるベンゲット州のコーヒー生産者団体がフェアトレードの「環境」基準を満たすコーヒー生産を行えるようになる(2生産者団体)。
3.
パイロット地域のコーヒーの加工・販売に関わる組織が国際フェアトレード・トレーダー基準を理解し実践のための計画づくりを行えるようになる。
リンク
[地球環境基金]https://www.erca.go.jp/jfge/
[コーディリエラ・グリーン・ネットワーク]https://cordigreen.jimdo.com
[フェアトレード・ラベル・ジャパン]http://www.fairtrade-jp.org/about_us/
[国際フェアトレード(英語)]https://www.fairtrade.net