2月4日開催の第20回ツキイチカフェは、杉山 遼さん(NPO法人アクセス-共生社会をめざす地球市民の会 理事、京都府立八幡支援学校 中学部教務部長)をゲストに迎え、
「知るところから始まる 協力・共生」~フィリピン・スモーキーマウンテンの子供たちへの支援と日本の障害児への支援を通じて~をテーマに開催しました。
杉山さんが働く八幡支援学校でも自閉症の子供が増えています。社会では「自閉症の人は突然怒り出したりして、何を考えているか分からない、怖い」というような偏見があります。
杉山さんは、自閉症の子供たちが持つ、「人との関わりが苦手、コミュニケーションが苦手、こだわりが強い」などの特徴について、それが具体的にどういうことなのか、まず「知ってほしい」と話されました。
杉山さんが、一人の参加者に立ってもらい、意味が分からない言葉を何度も繰り返し、参加者が理解できないと、声を大きくしていく。スクリーンに表示された二重に見えている文章や画面が揺れる文章を参加者に読んでもらい、それが如何に困難を伴うかなど体験してもらい、自閉症の子供たちは日々どのような状態を経験しているか分かり易く説明してくれました。自閉症の子供たちが如何にストレスな社会で暮らしているのかを参加者に話されました。
八幡支援学校では隣の高校と廊下で繋がっていて、普段から高校生が来てお昼を一緒にしているそうです。当初コミュニケーションが撮り難かった支援学校の子供たちも、高校生たちと触れ合っている内に笑顔で過ごすようになってきている。そのことを高校生たちが手話甲子園で発表している姿をビデオで見て、参加者のみなさんも感動していました。
フィリピン・マニラのスモーキーマウンテン(ゴミ捨て山)へ、学生時代から杉山さんは何度も訪問し、そこで暮らし人たちの中に入って活動しています。そこでは、人々がゴミを捨てにきたトラックに群がり、お金になる金属などを探して暮らしています。フィリピンの人たちからも偏見、差別にあっています。最初は、心を閉ざしていた住民の人たちも、杉山さんたちが何度も訪問し、偏見なく一緒している中で、笑顔で心を開いてくれるようになったそうです。
そこで暮らす10歳の子が、肩に擦り傷を作ったものが、薬も病院に行く交通費すらなく傷が悪化し、腕を切り落とすことになってしまった話をされた時は、参加者もショックを受けていました。
そのことを知らなければ普通に暮らしていただろうが、自分が「知ったからこそ変われた」と、10年以上活動に取り組んでいる気持ちを話して下さいました。
参加者のみなさんから、杉山さんに対して、「感動しました」、「毎日の質の高い活動を尊敬します」等のコメントが多く出されていました。子供たちの心にある、障がいの壁を取り除いていきたいと話される参加者もいらっしゃいました。
NPO法人フェア・プラス
事務局長 河西 実