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10月5日開催第48回ツキイチカフェ「目指せ!ケアラーによるケアラーのための総合「笑」社」

  • 2019年10月07日

105日開催第48回ツキイチカフェは、松下一恵さん(紡ぐネットワーク代表理事)と娘さんのお二人をゲストにお迎えして、「目指せ!ケアラーによるケアラーのための総合「笑」社」をテーマに開催しました。

 

「介護はある日、突然始まります」という一言から、松下さんのお話は始まりました。

娘さんが小学生の時に、お父さんが事故に合われ、ご両親が別々の病院に入院されたため、松下さんは二つの病院に毎日のように通われました。その時、ご自分がケアラー(無償の介護者)だという自覚はなかったそうです。

その後、お父さんが亡くなれ、高齢になったお母さんを娘さんと二人で介護されています。


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多様化する社会を背景に、介護も老々介護、多重介護、ヤングケアラー、シングルケアラーなどなど多様化しています。多くのケアラーの人たちは、その自覚がないまま孤立(孤独)に陥っています。

松下さんは、ご両親の介護をされた時、職場は理解があり休むことができたが、将来どうなるのだろうかという不安が強かったそうです。その後、介護用品の営業をされた時に介護に携わる人たちが悩みを抱えて孤独に陥っていることを実感されたそうです。

 

これらのことがきっかけとなり、松下さんは「縁~ゆかり」を立ち上げました。認知症サポーター養成講座、高齢者疑似体験などの講座を開き、だれもが気軽に立ち寄れるコミュニティカフェをオープンしました。しかし、カフェを運営するため動けなるという課題が生じ、この活動を一旦休止しました。

松下さんは、その時の経験と広がったネットワークをもとに、2013年に「紡ぐネットワーク」を設立(2016年法人化)し、相談事業、ピアサポート、セミナー、講演会の開催などに取り組んでいるとのことです。


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松下さんからは、国の介護者支援は、認知症カフェの普及など、極めて限定的であり、介護者の支援に求められるものは、物理的、心理的、健康、情報、経済支援(就労)と多岐に渡っていると話されます。

介護保険の変更により、国は地域で支え合うことを求めていますが、都会の希薄になっている人間関係では、結局介護者の負担がますだけになっています。

また18歳以下のヤングケアラーの問題も深刻で、それが介護だとの自覚もない中で、友達にも相談できず、悩んでいる子どもたちが非常に多くあります。

長期の引きこもりの子どもの面倒をみる高齢の親の8050問題も深刻です。

さらに、50代の人が親を介護するため介護離職する人も今後10万人に上ると言われています。その人たちが再就職を求めても、再就職できる人は全体の43.8%、正社員につける人は20.6%と非常に少ないのが現実ですと、松下さんは話されました。

 

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松下さんは、経済的支えがある中で、「介護する人が笑顔で暮らせると要介護者も笑顔に」なれるとのポリシーに基づき新たな取り組みを始めています。「人を支援する人が食っていけない事業はおかしい」とのある人の言葉を待つまでもなく、福祉=ボランティア=無償奉仕という世間の誤解を払拭し、支援する側の生活を保障する、ケアラー支援拠点構想などの仕組み作りを目指しています。

 

その後、参加者との意見交換になりましたが、学生ボラティアからヤングケアラーという言葉を初めて知りました、周囲に介護している友だちの話を聞いたことがないけど、実は大勢いるのかもしれないですとの発言があり。また、参加者から松下さんの娘さんへの、学生時代に介護の問題に直面した時に、特に何が問題でしたかとの質問に、「困ったことは無限だいにありました」との答えが印象的でした。

 

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以上

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上世屋集落の藤織り

  • 2019年09月21日

9月上旬京都府北部の山村上世屋集落を訪問し、村に古くから伝承されてきている藤織りについて調査してきました。

 

1.上世屋の歴史

上世屋集落は明治468軒の家があるすり鉢の底にある集落でした。周辺の田畑を耕し、家の屋根は村の人たちが協力してクマザサを拭いて作られていました。昭和19年の大火災で一度はほとんどの家が消失し、昭和38年の5メートルを超す豪雪により、多くの住民が離村してしまいました。

現在10世帯の人たちが暮らしていますが、多くは他の地域から移住してきた若い人たちで上世屋の復活に取り組んでいます。


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1.藤織りの歴史

上世屋の土地は綿花栽培に適さなかったため、周囲の山に群生していた藤の蔓を使い織物を作るようになりました。加えて、村の若い女性は、周囲の町へちり緬奉公に出て、機織りの技術を身に着けて村へ戻ってきていました。藤織りに適した土地だったと言えます。昔から春から秋にかけては農作業をするが、春藤の蔓を切り出し、雪深い冬にみんなで協力して灰汁炊きから始め藤織りを行ってきていました。

一時織物問屋がお茶席用に藤織りの座布団を作り、高値で藤織りの反物を購入したため藤織りが盛んになった時期があったが、その後衰退し、数名のおばあさんが藤織りを続け、伝統を守ってきました。

その後、35年前に藤織り講習会が始められ、当初はおばあさんの作業を横で見ることから藤織りを学び、伝統が受け継がれてきました。


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1.藤織りの製作工程

a. 藤織りは春の藤の蔓の切り出しから、灰汁炊き、冷たい川の水であらい、糸を紡ぎ、機織りまで非常に手間のかかる多くの工程を経て作られています。

① フジキリ(藤伐り)

森から藤の木を伐り出してくる。

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② フジヘギ(藤剥ぎ)

藤の木を木槌で叩いて表皮を剥ぎ、繊維に用いる中皮を採り出す。


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③ アクダキ(灰汁炊き)

中皮を水に浸し柔らかくし、木灰汁で炊く。

④ フジコキ(藤こき)

炊きあがった中皮を皮で洗い、コウバシというV字型の金属で扱いて不純物を取り除く。繊維部分のみが残る。


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⑤ ノシイレ(のし入れ)

米ぬかを溶かした湯に、藤の繊維を浸し、滑らかにする。繊維がトリートメント効果によりさばきやすくなる。

⑥ フジウミ(藤績み)

結び目を作ることなく、繊維を撚り合わせて績いでいく。(綿花から繊維を引き出していくことを‘’紡ぐ‘’と書くが、藤などの繊維に撚りをかけていくことを“績み”と書く。ここから紡績という言葉が生まれました。)


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⑦ ヨリカケ(撚り掛け)

績まれた糸を湯に浸して柔らかくし、糸車で全体に撚りを掛けていく。


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⑧ ワクドリ(枠取り)

撚られて糸車に巻かれた糸を木枠に巻き取る。


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⑨ ヘバタ(整経)

まかれた糸枠12個をもちいて整経台によって縦糸を決められた本数に整える。

⑩ ハタニオワセル(機上げ)

荒筬を用いてタテ糸を巻いた後、綜絖と筬へ通し、織り付け布に結ぶ。


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⑪ ハタオリ(機織り)

機織り機で織り上げ、反物が完成する。


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4.藤織りの作業を体験

今回特別に藤織りの一部の作業を体験させて頂きました。藤の繊維を米ぬかに浸し、乾燥させた繊維をコウバシというV字型の道具で扱いて米ぬかを落とし滑らかにする作業、


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フジウミという繊維を結び目を作ることなく撚り合わせて績いでいく作業、


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ヨリカケという績まれた糸を糸車で全体に撚りを掛けていく作業などを体験させて頂きました。


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作業は見た目以上に非常に難しく、うまく結び目を作れず何度もやり直すことになってしまいました。ひとつひとつの作業が、時間をかけて習得していく必要があり、作業を行う時には神経を集中することが求められますが、作業を体験させて頂くことにより、繊維の肌さわりを感じられ、繊維が次第に滑らかになっていくことを実感できました。藤織りを知るよい経験になりました。


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以上

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11月17日開催第49回ツキイチカフェ「当たり前」や「普通」を疑うこと、そして時間がかかっても、プロセスを大事にすること~社会の仕組みを変える「共育の場づくり」~

  • 2019年09月16日

49回ツキイチカフェ

テーマ:「当たり前」や「普通」を疑うこと、そして時間がかかっても、プロセスを大事にすること。

~社会の仕組みを変える「共育の場づくり」~

 

私たちは様々な人、社会、自然、そして地球とのつながりの中で豊かな暮らしを送ることができます。でも、日々の暮らしの中では、その関係性やつながりが見えないことも多く、気づかないうちに関わり方やつながり方を間違えてしまい、環境問題をはじめ、様々な社会問題を引き起こしています。目を背けがちな問題で、そして解決のためには多くの人々が関わり、考え、共に進むべき道を探し出すことが必要だと考えています。

Earth-PALは、その関わり方・つながり方を問い直し、すべての人にとって、そして地球にとってより豊かな関係性を築くためのきっかけとなる「学びの場」をデザインすることで、自分ごととしてより持続的な社会を創る仲間を増やすことを目指し、活動を始めました。〔新堀 春輔

フェアトレード・コーヒーを飲みながら、ゲストのお話をお聞きして、みんなで会話を楽しみましょう。どうぞ気軽にご参加下さい。


49回活動写真

ゲスト:新堀 春輔地球・環境共育事務所 Earth-PAL 代表)

高校時代に南アフリカ共和国に留学し、アパルトヘイトの名残やHIV、スラムなど、社会の構造により生み出される格差を目の当たりにし、国際的なソーシャルワーカーを志す。大学では社会福祉を専攻、在学中にEarth-PALを設立、直接的な支援だけではない、社会の仕組みを変える取り組みとしての「共育の場づくり」を始める。


49回ゲスト写真

 

日時:1117日(日)14001600

会場: 東山いきいき市民活動センター1階 和室

605-0018 京都市東山区巽町442-9

定 員:20

参加費: 社会人800円、学生・会員500

    (フェアトレード・コーヒー、アバカ手編みコースター(初回参加者)、ブランドカードセット代を含む)

主催:NPO法人フェア・プラス、共催:東山いきいき市民活動センター

申込:NPO法人フェア・プラス

Tel075-744-0646FAX075-744-0945

Mail:  info@fairplus.org 

 

NPO法人フェア・プラス

600-8492 京都市下京区月鉾町52 イヌイ四条ビル3階Flag四条

Tel: 075-744-0646Fax: 075-744-0945

Mail:  info@fairplus.org 

 

次回以降の予定

128日(日) ゲスト:守部 吾妻(NPO法人エッセンス 副理事長)

119日(日) プレゼンター:河西 実、学生スタッフ(NPO法人フェア・プラス)

以上

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